日本コンピュータ化学会2026年春季年会

概要

密度汎関数理論(DFT)計算と比較して計算コストの低い力場(IP; Interatomic Potential)の利用は、材料探索を加速する有力な計算手法である。近年、周期表の広い範囲を扱う汎用力場の開発が進んでいるが、その有効性は対象系ごとに十分な検証が必要である。 本研究では、ゼオライトを汎用力場の評価のためのモデル系として用い、複数の汎用力場の性能を比較、ゼオライト構造への有効性を検証した。ゼオライト構造はSi、Al、Oを基本骨格としながら多様な骨格トポロジーをとり、さらに金属カチオンや有機分子カチオンなどのゲスト種を含むことができる。このため、組成の違いに起因する大きなバイアスを抑えつつ、局所構造、骨格歪み、イオン-骨格相互作用などに対する汎用力場の性能評価に適した材料群と言える。 対象は、解析的な汎用力場(GFN-FF1, UFF8, Dreiding9)および汎用機械学習力場(MLIP; Machine Learning IP)(CHGNet, ORB-v3, MatterSim, eSEN-30M-OAM(eSEN), PFP-v7, EquiformerV2-lE4-lF100-S2EFS-OC22(EqV2))とし、さらにゼオライトへの適用例が豊富な特化型の力場である SLC、ClayFF、およびBSFFを比較に含めた。分散力補正付き DFT 計算および実験データを参照データとして各力場を評価した。シリカゼオライトに加え、Cuを含む CHA型ゼオライト、さらにKカチオンおよび有機カチオンを含むERI型ゼオライトを用いた。

日付
場所
東京科学大学 大岡山西9号館